読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
まだブログの仕様も定まってませんのでご容赦ください

【奨学金】海外留学支援制度(大学院学位取得型)の面接について

JASSOによる給付型海外留学奨学金(のうち人文社会系)の面接日程が、来週頭(6・7日)にまで迫ってまいりました。こんなギリギリに投稿して役に立つか分かりませんが、昨年の経験をもとに簡単にメモをまとめたので、今年受ける方も来年以降を考えている方もどうぞご参考にして頂ければと思います。

なおこの奨学金の詳細については、以下のサイトをご覧ください。

海外留学支援制度(大学院学位取得型) - JASSO

 ※この記事はあくまで個人の経験と感想に基づいたものであり、今年からの内容変更や面接の結果について一切責任は負えませんのでご了承ください。

本題に入る前に自分の情報をはっきりさせておきます(詳しくは自己紹介の記事も)。

JASSOの給付奨学金は日本で学部4年生であった15年秋に申請し、16年1月末に面接のうえ採用が決定しました。面接時点では出願書類に書いた第1志望のUCLからは返事が届いておらず、第2希望のリバプール大学、第3志望のSOASに合格していた状態で、これは90秒スピーチのなかでも言及しました。

ちなみに17年度分についても出願していたのですが、留学が開始する時期と重なったこともあって準備不足のため、書類審査で切られてしまいました。この辺のことは色々と書きたいのですが、また稿を改めて。では以下本題です。 

面接当日の流れ等
  • 面接の会場は青海の日本学生支援機構東京国際交流館です。ゆりかもめの「船の科学館」が最寄駅で、近隣に日本青年科学館やガンダムがある湾岸部です。間違えて青梅に行かないように気を付けましょう*1。敷地内も広く入り口を見つけるのに手間取ったので、余裕をもって行くほうがいいかもしれません。

  • はじめは待機室に通され、簡単なアンケートを渡されます。

  • 面接は2~3室で同時に行われており、自分の前の人が終了する数分前に扉近くの椅子へ移動するよう促されます。

  • 前の人の退室後、係員に呼ばれたら入室して左の机に荷物を置き中央の椅子に着席。

  • 正面の長机に面接官3名。後方壁際に係員2名。係員は計時などをしているようですが、入退室時以外は特に声をかけられなかったと思います。

  • 中央に座っている面接官(自分の場合は初老の男性だった)が主に面接を進行。100%憶測ですがこの面接官はJASSOの関係者、向かって左(同・中年女性)が文科省関係者、右(同・40代くらいの男性)が関連分野の研究者かなと感じました。それぞれが分厚いファイルにとじられた出願書類を開いています。

  • 席に着くとまずは準備してきた90秒スピーチ(留学先の言語)をするよう促されます。

  • その後それぞれの面接官から質問を投げかけられますが、割と空気も重く質問も厳しめだったと個人的には感じました。面接官によっても違いが大きいかもしれませんが、少しは肚を決めていったほうがいいかもしれません。

  • と思いきや、終了直前に「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る、という事ですね(笑顔)」などと声をかけてくれたので、別に圧迫する気があるわけではなさそうです。

  • どこまで見られているか分かりませんが、日本の政府系なので一応会場を出るまでは気を抜かないようにしたほうが無難でしょう。

  • 服装は一応スーツで行きました。同じ時間帯の人はスーツが多かった印象ですが、後で知り合いになったとある人は私服が多かったと話されてました。個人的には、やはり無難にスーツを着たほうが気合も入っていいのではないかと思います。
質問の内容

基本的には提出した出願書類に関しての質問が中心ですが、それとは別に恐らく全員に聞いていると思われる質問等もありました。専門分野の違い・修士博士の区分の違い・それまでの経歴の違い・面接官の違いで内容が変わる可能性もありますが、自分が聞かれた質問と回答の要旨を並べてみます。なお()内は質問を発した面接官の別を示し、口調などは再現してません。

  • (中)いまSOASと言ってたけれど、書類にはUCLってあるんだけれど?
    ⇒UCLからはまだ結果が来ておらず、SOASは第3志望として出願していた。

  • (中)SOASは考古には強いの?
    ⇒UCLなどの方が有力だが、SOASにもアフリカ考古学の研究者は在籍しており、低めの志望順位で出願している。

  • (中)血税を使ってアフリカの考古学、初期製鉄について勉強してそれをどう役立てるのか?
    ⇒日本ではアフリカの歴史、特に植民地化以前の歴史についてあまり興味が向けられず、人々の中に無意識の偏見がある。将来的に日本で活動して、そうした偏見を取り除くことで日本とアフリカ諸国の間に本当に対等な関係を築くことを助け、日本の学術的な存在感も高めることができる。日本ではほとんど研究されてない分野であるが、まずは自分が最初の一人になりたい。(といった趣旨でイマイチまとまりのないことを少々長く語ってしまった)

  • (左)近年は文系廃止論などがあるが、これについてどう考えるか
    ⇒確かに理系・工学系のようにすぐに目に見える利益があるわけではない。しかし人文系、特に歴史に関する分野は相手に対しての正しい認識を持つうえで重要であるはず。誤った認識は、例えばアフリカに対してなら「未開」だとか「進歩が無い」という偏見を生み対等な関係に悪影響を与えかねない。したがって、他者を理解するための術として人文系の知も必要である。

  • (右)アフリカの多くの地域では網羅的な調査がされてないのはなぜ?
    ⇒1つは考古学の調査には長い時間がかかり資金も必要であるのに対して、内政に問題を抱えている国も少なくなく、今まで安定して研究に取り組めなかった国もあるため。また先ほど日本で関心が低いと言ったが、欧米でも比較的マイナーな分野であり、紹介されることが少ないから志す人も少ないという状況にある。そうした事情から、広大な大陸に対してあまり十分に研究が進んでいない。

  • (中)このコースを修了したらどうするつもりですか?
    ⇒まずはPhDに進み、その後もしばらくは欧州の大学などで研究をして実力と経験を積みたい。将来的には日本に帰ってきて、一般への普及や大学での教育などをとおしてアフリカの考古学や歴史を広めたい。最終的には日本である程度しっかりとアフリカの考古学を学べる環境を作りたい。

書き出すととてもシンプルですが、あれこれ考えながらしゃべっているので、これで10分強の予定時間が終わりました(最初の90秒スピーチ込)。

準備・対策

90秒スピーチについては、大学でお世話になっている英語の先生に内容を確認してもらったうえで、飽きるほど練習して覚えました。もともと暗記が苦手で苦労しましたが、 自分自身のことなどを語る訳ですから、忘れても平気だと思えるくらいやるといいかもしれません。当日は早口になりすぎないように、始める前に軽く深呼吸でもしましょう。

質問の大半は自身の研究内容とその社会的意義、留学先の志望理由、その後の計画といった基本的な内容が主になるはずです。日頃から考えている内容だとは思いますが、一度軽く書き出してみると考えがより整理されて答えやすくなると思います。また友人や家族に協力してもらって、模擬面接をしてみてもいいかもしれません。一問一答で簡潔に答えるのは、(特に就活をせずに院進学に絞ってる人だと)少し練習していた方がスムーズにいくかと思います。

想定外の質問については直前に対策してもしょうがないので、変にパニックにはならないようにしましょう。普段ニュースにアンテナを張っていて余裕がある人なら、自分の分野に関連しそうな大きな話題を、自分自身の状況や研究と結びつけて語れるネタを考えておいてもいいかもしれません。ちなみに生命科学系の友人は昨年、STAP問題を背景に研究者倫理とかで随分と答えを考えていたのに、全く一言も触れられなかったそうです笑

上記にあるように「血税」から出ている奨学金なので*2、その研究に投資する価値があるのか、そしてあなた自身に投資する価値がある(=その計画を実現できる)のかは非常に大きなポイントになると思います。そして、相手にしっかりと説得力を見せることがとても大切なのかなと個人的には思います。

 

様々御託を並べてきましたが、基本的には、堂々と自分の考えや勉強してきたことを語れれば問題ないと思います。面接まで進むという事は、それなりに厳しいはずの書類審査をすでに通過している訳ですから、留学のための最重要の切符まではもう少しです。自分の分野や留学先については、(運が悪くなければ)自分の方がある程度よく知っているというくらいの気持ちで、自信をもっていいはずです。

 

最後にもう一度強調したいのは、面接に焦りは禁物ということです。落ち着いて受験できる環境を整えるために、前日は温かいミルクでも飲んで早く寝て、会場までの道中も好きな音楽でも聞きながら普段は訪れない湾岸地域の景色を眺めつつ、もしかしたら待合室で出会いのひとつでもあるかもなんてワクワクしながら*3、どうか心穏やかに面接に臨んできてください。

この記事を読んだ面接受験者の方が、無事に合格されることをお祈りいたします。

 

おまけ

昨年この奨学金の面接について情報収集しようとしたときに参照した、貴重なブログへのリンクを貼っておきます*4。とくに一番上のブログは比較的新しいものであり、内容も詳しいので、とても参考になるかと思います。

tomokiw.blogspot.co.uk

d.hatena.ne.jp

lancasteruniv.blog119.fc2.com

 

*1:

www.j-cast.com

*2:ここだけの話、「血税」なんて言って圧力かけやがって、なんて友人との話のネタにしていましたが、研究者にとっては(たとえそれが副次的なものであっても)研究が社会の役に立つと納得してもらえる説明をできることは非常に重要です。その予備段階ともいえるこのような奨学金の選考でそれを問われることは、将来のための訓練だと最近は考えるようになっています。

*3:実際に帰りのタイミングが重なった人とはゆりかもめ内でお話して名刺渡しました

*4:実は、この奨学金に関する情報がなかなか集まらなかったことが、このブログを書こうと思う強い動機のひとつでした